2008年06月21日

かんぞういろ − 萱草色




憂い忘れる花の色


あれは、まだ幼い頃。
陽射しがたっぷり注ぐ窓辺で
はじめて知った「枇杷」の味。
長崎の親戚の家でのことでした。

母が皮をむき、さしだしてくれた実は
果汁がしたたるほどみずみずしく、ぷっくり。
ころころと転がっていかないように
小さくひと口、ひと口、食べすすめた覚えがあります。

甘すぎるわけでも、酸味があるわけでもなく
それほど主張が強くないのに
なぜか鮮明な記憶として残っているのは
この色のせいかもしれません。

現代では、気分を明るくする色として好まれていますが
かつて万葉集の頃には、憂いが晴れる花として
源氏物語の頃には、喪に服すときの色として
身につけられたもの。
凶事の色であるとともに
負の気分をいやす色でもあったようです。

その当時から
カラーセラピーの効果を見出していたとは。
和の色も、なかなかのものですね。




【萱草色】
赤みのある橙色。萱草の花の色です。梅雨から夏
にかけて咲くユリに似た花で、古名を忘れ草といい
ます。青紫の小花を咲かせる忘れな草とは異なり、
ヤマユリのような橙色の花。ちなみに枇杷に関わり
のある、枇杷茶は果皮が茶がかった色になります。

posted by mikk at 16:54| Comment(8) | 水無月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わぁ〜ぉ、本物のビワかと思ってしまいました。
{゚ω゚}エノザル
Posted by eno at 2008年06月21日 18:45
*enoさん*
本物そっくりでしょう?
これを見たとき
まったく手を加えていない枇杷なのかと
じーっと見入ってしまいました。
香りも枇杷そのもので驚きましたが
なかはちゃんと白餡なのでした。
Posted by mikk at 2008年06月22日 11:30
いやーどうみても、ホンモノの枇杷ですよ〜
香りもなんですか?

「憂いが晴れる色」
昔の人のカラーセラピー、納得です
派手すぎず暖かみを感じる赤とさわやかさを感じる黄色がうまく合わさった色ですものね
Posted by さくらねこ at 2008年06月22日 22:14
赤味がかった橙色、ほんと温もりのある
すてきな色ですね〜
かんぞういろ…、と言うんですね…
この色が、憂いを晴らしてくれる色という
こと、分かるような気がします。
明るく元気を与えてくれる色ですね。
こんど、ビワに出合ったら、
「憂いが晴れる色」ということを思い出し
たいです。
Posted by 風恋 at 2008年06月22日 23:19
ぷっくりの枇杷をひとくち子にかえる

ころころの枇杷の皮むく母の手よ

ひと口が過ぎれば待つはメタボなり

飲んべいよたまに肝臓休めなよ
Posted by 日向子 at 2008年06月23日 09:25
*さくらねこさん*
そう、香りも枇杷だったんです。
なかの餡を見るまでは
もしかしたらコロンと種が出てくるのでは
と思っていましたが、ふんわり白餡。
枇杷の和菓子はいろいろなお店で見かけましたが
この写実性にまいりました。
「憂いが晴れる色」、たしかにですね。
Posted by mikk at 2008年06月23日 17:44
*風恋さん*
かんぞういろ、
聞きなれない色ですよね。
もしかして風恋さんだったら
萱草の花をご存じかも、と思いつつの紹介でした。
この色、ゆっくり、おだやかに
憂いを晴らしてくれそうです。
色を見て気分が晴れ
味わってまた気分が晴れていく
いいものだなと思います、和菓子って。
Posted by mikk at 2008年06月23日 17:54
*日向子さん*
「ひと口が過ぎれば」、こわい現実です。
ここに紹介していない和菓子も
実はけっこういただいていて
「たまに〜休めなよ」の言葉を
しみじみ感じています。
でも、和菓子はすっきり後味で食べやすくて……、
とちょっと自分で自分にフォロー入れてみました。
Posted by mikk at 2008年06月23日 18:02
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