2008年04月30日

べにふじ − 紅藤



江戸に生まれた薄紫の色


この花色を見かけはじめると
梅雨どきが近いことを知ります。

あふるるほど棚からさがった花房は
あでやかでなよやか。
特別なしつらえがないところを
花かんざしのように山藤が彩っているのも
なんとも贅沢な光景です。

この色に、静けさをそなえた
品位ある女性を重ねてしまうのは
源氏物語の藤壺の女御が
浮かんでくるからでしょうか。

少々気おくれしていたこの色を
つい最近すすめる人がありました。
その着こなし方として示されたのが
濃淡の紫を合わせた
ちょうどかさねの色目。

今どきの二十代の女性でしたが
意識するとはなしに和の色彩感覚が
身についているのかもしれません。




【紅藤色】
赤みがかった藤色が「紅藤」。青みがかった
藤色が「藤紫」。どちらも江戸時代にあらわれ
た色名です。今回のお菓子の銘は「藤むらさ
き」でしたが、本来の藤紫色より赤みが勝って
いると思い、ここでは紅藤として紹介しました。

posted by mikk at 23:32| Comment(12) | 卯月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小さい花びらがかわいく乗っかっていて風情のある主菓子ですね、紫。
(だけではないかもしれませんが、特に)紫は
微妙な加減でいろいろな表情をみせるので、合わせ方が難しい色だと。
藤の季節になりますか…、確かに。春は後半、そろそろ暑い陽射しです。
mikk様、GW、楽しくお過ごし下さいませ。
コメントありがとうございました。
Posted by 蒼 at 2008年05月01日 08:09
*蒼さん*
浅いものから深いものまで
いろいろな紫があって
あわせ方に迷いますね。
いつも深い色みで
まとめてしまいがちですが
さらりと紅藤など着てみたいところです。
蒼さんも、どうぞ楽しいGWを。
Posted by mikk at 2008年05月01日 18:21
べにふじ、初めて聞く色名です…
ふつうは、ひとまとめにしてピンクと
言いきってしまいますが、和の色には
微妙な色合いとすてきな色の名前が
用意されているんですね〜
奥深さを感じます。
Posted by 風恋 at 2008年05月01日 23:09
*風恋さん*
たしかに、ピンクとも言えますね。
藤色の系統にはほかに
「淡藤(うすふじ)」
「藤鼠(ふじねず)」
「藤茶」などもあります。
これらは、どれも江戸時代に生まれたもの。
平安の世と、江戸の世、
多くの色名があらわれたのは
平穏な時代が影響しているのかもしれませんね。
Posted by mikk at 2008年05月02日 00:50
花の名の優しさで美の粋を表す、
高貴で優雅な色の王者、紫。
“藤紫”は、近世の和服の地色によく使われた色で
樋口一葉などの明治文学にも用例が多く、
また、明治以降の美人画・肖像画にも
藤紫の着物を着たご婦人がよく描かれています。
…と、それにしても、
食品にはタブーといわれている紫系の色、
よく見つけてきましたね。
Posted by ター坊 at 2008年05月02日 10:04
*ター坊さん*
ありがとうございます。
食品では紫系の色は
タブーとされているんですね。
「あやめ」や「かきつばた」など
和菓子にはちょこちょこ見かけるので
あまり意識せずにいました。
これからどんな紫に出あえるだろうと
楽しみにしているところです。
ター坊さんに感嘆していただけるような
お菓子が見つけられるといいんですけれど。
しっとり梅雨どきの紫
素敵ですよね。
Posted by mikk at 2008年05月02日 14:32
藤の花紫の雨降らせてる

紅さして簪さして傘さして

紫も藤も愛する男なり
Posted by 日向子 at 2008年05月02日 16:47
きれいだなぁ。このお饅頭、中の餡は白餡かな^^
おいしいほうじ茶を入れていただきたいです。
あじさいとはまた違ったムラサキ色ですね、藤は。
Posted by たっくん at 2008年05月03日 16:06
「紅藤」ステキな色ですね
紫は、赤みと青みの強さでいろんな色あいがあります
そのなかでも、ピンクにほんのり紫が混じったような
とてもステキな色
藤紫が「粋」なら、この紅紫は「優雅」でしょうか
Posted by さくらねこ at 2008年05月04日 00:51
*日向子さん*
「紫の雨」がとても情感豊かですね。
こころの内が雨にあらわれそうです。
「紅さして簪さして傘さして」も
小雨のなか京の町を歩く舞妓さんの姿が浮かんできます。
「紫も藤も愛する男なり」は
もしかして藤が家紋であった
藤原氏のことを薫らせておられるのでしょうか。
色が匂うような句をありがとうございます。


Posted by mikk at 2008年05月05日 13:54
*たっくんさん*
色あわせから考えると白餡が
きれいに映えそうですが、小豆のこし餡でした。
意外に白餡が少ないのは
白小豆が稀少だからでしょうか。
こちらも最近は、京番茶。
たっぷりいただくのにちょうどよい
蕎麦猪口がないかなと探しているところです。
Posted by mikk at 2008年05月05日 14:09
*さくらねこさん*
そうですね
すっきり粋な藤紫に、
はんなり優雅な紅藤。
どちらも好きな色ですが
以前はすっきりした色が好みでした。
ここ最近は、あたたかみのある色に目がいきます。
春だから、でしょうか。
Posted by mikk at 2008年05月05日 14:17
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