2015年01月18日

ことほぎ

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今年もゆったりと
仙台の和菓子に
和の色を見つけてまいります。

2015年はじまりのお菓子は「羊」。

ここまで抽象化されていても
乳白色の色あいと、らくがんの肌によって
もこもことした愛らしい羊が浮かんできます。

年明けから、お菓子とのうれしい出会い。
今年も、よい出会いに恵まれそうです。







posted by mikk at 20:20| Comment(0) | 初春 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月30日

よもぎのかさね − 蓬のかさね


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蓬をあらわす萌黄の濃淡かさね色


お世話になっている方から
縁起ものだから、といただいたお菓子です。

「茅の輪」と聞いたとたんうれしくて
青々とした茅の輪をくぐったように
すがすがしい気持ちになりました。

はじめて茅の輪をくぐったのは
仙台に来てからのこと。
たまたま大崎八幡宮まで散歩をしたとき
参道に大きな茅の輪がありました。

古歌を唱えながらくぐるもの
と説明書きにあったものの覚えきれず、勝手に縮め
夏越の祓い、夏越の祓い
と呪文のように唱えながら、右へ左へくぐり抜け
半年の穢れを祓い清めたのです。

大崎八幡宮といえば
正月明けのどんと祭で知られるところ。
ついこの前、どんと祭のご神火で
こごえる手を温めた気がしていましたが
あれからもう半年。

身についた罪穢れを清め
また新たな気持ちではじめるとしましょう。




【蓬のかさね】
淡萌黄と濃萌黄のふた色によって、成長した蓬の葉を
表すかさねの色目です。この「茅の輪」のお菓子でい
えば、輪をかたどっている部分の配色にあたります。
蓬は、邪気を祓う草。そのかさねの色目を用いたとこ
ろに、菓子職人の思いが表れているようでもあります。
この配色は、夏の装いとして身につけられた色です。










posted by mikk at 23:39| Comment(0) | 水無月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月30日

わかくさいろ − 若草色

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萌えいづる若々しい緑


今年はどういうわけか
手のひらに収まるくらいの小ぶりなたけのこを
店頭でよく見かけました。

これなら持ち帰るのも手軽で
気軽にアク抜きができ
1度に使いきれて
お値段もかわいいからと
ひとつ買い求めることに。

家に帰ってアク抜きを短時間で終え
いいこと尽くしと喜びつつ
皮をむきはじめると、どこまでいっても皮。
姿かたちがなくなるのではと、ひやひやするほど
ささやかな身になりました。

かすかなたけのこの香りに春を感じながらも
油揚げの風味にたよったごはんは
ちょっと物足りず……。

これからは、小ぶりなものは2つ求めることと
「たけのこ」のお菓子を見ながら思っています。




【若草色】
芽吹いた黄みのある萌黄色が、陽射しをあびて緑濃く
なってきたころが若草色。春から夏に向けて、「萌黄
色」「若草色」、黒みのある黄緑の「草色」へと、自
然の葉色がしだいに緑を深めていくのにあわせて、色
名も変化していきます。その繊細さが日本らしいとこ
ろ。若草色は、明治生まれの色名とも言われています。










posted by mikk at 23:48| Comment(0) | 卯月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

さくらいろ − 桜色

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白みがかった、かすかな紅


すこし散りはじめのころ
緋毛氈に座って酒器を手に
桜を眺めることが多いのですが
今年は、めずらしく満開の桜のもとでのお花見でした。

桜の花たちは、まだしっかりと枝につき
空を見上げているような、たくましさがありました。

それから数日経ったころ
同じ場所を通りかかると
花びらという花びらが
風が吹くたび一斉に枝から離れていく光景を目にしました。

浮かんできたのは
舞台でおびただしく舞う紙吹雪。

あの紙吹雪は、この情景を映したものだったのかと
思いいたりました。
そして、大量の紙吹雪が
けっして過剰な演出ではなかったことも。

花びらが空に描く風の流れは
見事ではありましたが
ちょっと勢いがありすぎる気もして……。

この「さくら」の薯蕷饅頭に舞っているくらいの
わずかな花びらが
はかなげで心ひかれます。




【桜色】

 
山桜のように白みがかった、かすかに紅を含む
色。よく見かける染井吉野よりもっと白にちかく、
紅色の系統の中でもっとも淡い色になります。桜
にちなんだ、かさねの色目も多く、薄花桜、葉桜、
樺桜など10種を超えるほど。日本でいかに愛さ
れている花であるか、その数が象徴しています。










posted by mikk at 23:37| Comment(0) | 卯月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月13日

ことほぎ

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今年ものんびりゆるり
仙台の和菓子に
日本の色を見つけてまいります。

いつからか「ことほぎ」という言葉を
賀状に記すようになりました。
2014年はじまりのお菓子は、その名も「寿ぎ」。

ひげの王様といった面差しですが
さていただこうと割ってみると
お菓子のなかには
黄水仙や淡紅といった、春らしい色が。

だから和菓子はやめられない
と思った年のはじめでした。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。










posted by mikk at 20:17| Comment(0) | 初春 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月31日

くろとくさ − 黒木賊

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黒みがかった深緑と白のかさね色


賊という字のせいか
黒木賊の色目から、どうしても山賊や盗賊が
浮かんできてしまいます。

色みの渋さとあいまって
賊軍の首領といった印象です。

木賊色を黒みがからせた深緑と
白をかさねた配色が、黒木賊になります。

木賊色といえば
武士に好まれた色みであったことから
想像していた荒々しいたたずまいは
当たらずとも遠からずといえるかもしれません。

武士のなかでも白髪まじりの年配者が
身につけた色みらしく
木賊と白の相性の良さは
南北朝時代のころから意識されていたようです。

ちなみに植物の木賊は、まっすぐに伸び
鋭さをもちあわせた草です。
ものを磨く草であったことから、砥草とも言われました。

このお菓子「時雨(しぐれ)」に走る
端正な線にも、どこか通じている気がします。




【黒木賊】
黒みの青と白による配色。かつては緑のことを「青」
と表現したため、実際には深緑と白の配色になります。
ちなみに「木賊」のかさねの色目は、萌黄と白の配色
で、植物の木賊の茎をあらわしています。木賊の衣は、
鎌倉時代や南北朝時代の軍記物に登場しています。黒
木賊は、祝いの席には避けられた色目とされています。










posted by mikk at 16:19| Comment(2) | 師走 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月30日

からちゃ − 唐茶

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中国茶のような黄みの茶色


岩茶を味わったことがあります。
中国の福建省北部にある武夷山という地域の
岩山で育ったお茶の木から摘みとった茶葉で
つくられたものです。

その武夷茶は、明の時代から
皇帝への献上品だったとか。
烏龍茶の製法のもとになったお茶でもあります。

小さな中国茶器でいただいた岩茶は
一煎、二煎、三煎と、そのつど異なる香り。
繰り返し、繰り返しお湯を入れても
お茶の色がちゃんとあり
いったい何煎まで
色が出続けるのだろうと思ったほどです。

このお菓子に、ぽつんぽつんぽつんと
3滴落とされた色あいが
その岩茶の色に似ているのです。

お菓子は中国にちなんだものではなく「栄松」。
日本で古来から尊ばれている不老長寿の象徴で
新年に好まれる意匠です。

霜月に見つけた松のお菓子。
今年はクリスマスより先に
お正月に出会えた気分です。




【唐茶】
黄みがかった茶色。「唐茶」と表す場合と、「枯茶」
と表す場合があります。読み方はどちらも“からちゃ”。
戦国時代から身につけられていたと考えられる色あい
です。唐は中国を表す言葉。この色は、中国から伝わ
ったお茶にちなんだ色なのでは、と考えられています。










posted by mikk at 21:49| Comment(0) | 霜月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かれの − 枯野


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冬枯れの野をあらわす黄と淡緑のかさね色


草木が黄枯れた野は
もの寂しく感じられるように思いますが
冬の暖かい日に
冬枯れの景色を見に出かけ
お酒を酌み交わす楽しみもあったようです。

それは、何事も楽しみに変えてしまう
江戸の人たちの過ごし方。

その冬枯れの野にちなんだ配色が
このお菓子の色あいなのですが
見ためには、いまにも香りそうな
柚子がかたどられています。

口にしたら、きっと柚子の香りが広がるはず
と思っていたら、まったくの予想外でした。

ほんのり甘みのあるおもちには
きざまれた栗が散らされ
「粟もち 秋音」の名にふさわしい
秋の食感でした。




【枯野】
黄と淡い青(緑)の配色。雪や霜によって黄枯れ
ていく野を表わす色あわせで、『枕草子』に登場
しています。冬の装いにとり入れられた色です。
似た配色の「枯色」は、淡香と青(緑)による配
色。ひと色による「枯色」もあり、こちらは草木
の枯れたような、やわらかい赤みの黄色です。










posted by mikk at 21:46| Comment(0) | 霜月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月31日

きつるばみ − 黄橡

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どんぐりで染めた、赤みがかった黄色


花の好みがあれば
庭の好みもあります。

長野県の松本に
私財を投じて松本民芸館を建てた丸山太郎さんは
自宅を改装する際に
自然のままの楢や樫の木を
植えたといいます。

そういえば、仙台でも
自然のままの庭を見た覚えがあります。

東北大学の総長を務められた加藤陸奥雄先生のご自宅。
先生が亡くなられた後のことですが
蒐集されていた郷土玩具のことについて
ご家族にお話をうかがいに訪ねました。

その際に、窓から見える庭が
住宅地とは思えぬ光景で
しばらく眺めていた思い出があります。

あの庭に、楢や樫の木があったのか
覚えていないのですが
まるい楢のどんぐりや、長い樫のどんぐりが
見つけられそうな庭でした。




【黄橡】
「つるばみ」とは、橡(くぬぎ)のこと。その実は、直径
数センチと、どんぐりの中でも大きなもの。橡の実で
染めたくすんだ赤みの黄色が、黄橡です。奈良時代
に位階によって定められた衣服の色では、第七位に
あたります。色あせしにくく、僧衣にも使われました。
このお菓子「蔦もみじ」でいえば、豆の色になります。











posted by mikk at 16:42| Comment(0) | 神無月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月30日

かじ − 梶


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萌黄と濃萌黄のかさね色


繊細で可憐な「はぎ」のお菓子。
けしの実が奥ゆかしくあしらわれたようかんで
栗あんをくるんでいます。

ようかんの萌黄色と
萩の葉をかたどった濃萌黄
そのふた色のかさなりが
梶をあらわす、かさねの色目です。

梶といわれても、さほど思い浮かばず
漆器に描かれていたのが、たしか梶の葉だったか。
柏の葉に似ていたのだったかと
うろ覚えの知識が、浮かんでは消える程度です。

梶と柏が共通していたのは
古くは、その葉を
食べものを盛る器がわりにしたことくらい。

ほとんど知らなかった梶の葉。
紙の原料であるとともに
その葉に詩歌を書いて
星の神への捧げものにしたという
風雅な習わしがありました。




【梶】
梶の葉色をあらわす、萌黄と濃萌黄によるかさねの色
目です。前回紹介した「初紅葉」は、萌黄と淡萌黄によ
るかさねの色目でした。2色のうち1色を変えるだけで、
あらわす植物さえ変わってきます。どちらも、秋に身に
つける色あい。ちなみに、淡萌黄と濃萌黄によるかさ
ねの色目は「蓬(よもぎ)」。夏に着用される配色です。












posted by mikk at 23:58| Comment(0) | 長月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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